家を守るべき屋根が、知らぬ間に家を壊す原因になる——そんな事実をご存じでしょうか?
高温多湿な日本の夏、青空に照らされた屋根の下では静かに、そして確実に「夏型屋根結露」という問題が進行していることがあります。
これは、冬に起こる一般的な結露とは異なり、夏特有の気象条件によって引き起こされる結露現象で、屋根裏の見えない部分に深刻な被害をもたらします。
日本の夏は、気温が高く、湿度も非常に高いのが特徴です。
特に梅雨の時期から真夏にかけては、外の湿度が90%になることも珍しくなく、空気中にはたくさんの水分が含まれています。
そのため、家の中と外で温度や湿度の差が大きくなり、結露が発生しやすい状態になるのです。
これが屋根裏に水滴としてたまり、野地板や垂木、断熱材にジワジワと染み込み、やがてカビの繁殖や木材の腐朽を引き起こします。
この現象の怖いところは、表面には何の異変も見られない点にあります。
壁にシミが出たり、天井が濡れたりといった目に見える被害が出る頃には、すでに構造内部は大きなダメージを受けていることが多いのです。
家の寿命を知らぬ間に縮めていくこの結露という「静かな破壊者」。
結露といえば冬の現象と思われがちですが、実は夏にも発生することがあるのです。
そのため、多くの人がその存在に気づかず、対策が遅れがちなのです。
特に最近の住宅は、省エネ性能の向上を目的として「高気密・高断熱化」が進んでおり、冷暖房効率の向上や快適な室内環境が実現しています。
ただし、これにより屋根裏の湿気がこもりやすくなる場合があるため、同時に「通気」や「換気」の設計をしっかりと行うことが重要です。
高性能な断熱材を多く採用しても、適切な通気層や換気経路が確保されていなければ、屋根裏に湿気が滞留し、結露リスクを高めてしまう可能性があります。
この恐怖から家を守るためには、屋根裏にしっかりとした通気経路を設け、湿気をこもらせないことが基本です。
このような事から弊社では、ディーズルーフィング®の遮断熱通気工法を、屋根裏の結露対策の一環としてご紹介しております。
新築時だけでなく、リフォームや屋根の改修時にも、この「夏型屋根結露対策」という視点を持って計画を立てることが、長く快適な住まいを維持するためには欠かせません。
屋根は、私たちの生活を守るシェルターです。
しかしその屋根の裏側で、湿気がじわじわと家を侵食していくという現実を、ぜひ一人でも多くの人に知っていただきたいと思います。
「夏の結露なんて聞いたことがない」と思われるかもしれません。
ぜひ、この機会に覚えてください。
【次回のコラム予告】
次回は、夏の高温で屋根の劣化は早まる?について見てみましょう!