コラム

なぜ屋根への関心が低いのか?

なぜ、屋根への関心が低いのか?

この問いを立ててみると、まず浮かび上がるのは、暮らしの中で屋根は「あって当たり前の部位」として認識されてきたという事です。
雨をしのぎ、夏の日差しを遮り、冬の寒さから家族を守る。
その役割はあまりにも当然で、改めて意識されることは少ないのです。
私たちの視線は常に地上に向けられ、屋根は「視界に入らない存在」として生活の背景に溶け込んできました。

ですが、欧米をはじめとする他国の住宅文化に目を向けると、その認識の差がわかります。
アメリカの郊外を歩けば、石粒付金属屋根やアスファルトシングルが色鮮やかに並び、街並みに統一感を与えています。


これらの屋根材は30年、40年といった長寿命を前提に設計され、定期的に交換ではなく「メンテナンスしながら住み継ぐ」ことが生活の前提にあります。


さらに、ヨーロッパの街並みを歩くと、屋根の存在感の大きさを実感します。
雪深い山岳地帯では、色とりどりの急勾配の屋根が並び、また、長い歴史を持つ古都では街全体が統一された屋根に覆われ、まるで一枚の絵画のような景観を生み出しています。


時には勾配の強い屋根は街を立体的に見せ、遠くから眺めれば「屋根そのもの」が街の輪郭を描き出していることに気づきます。人々は屋根を、ただの建築部位ではなく、街の美しさを形作る大事な一部として大切に見ています。

さらに、そこに使われる屋根材はどれも長寿命を前提としたものばかりです。
天然スレートは100年を超える寿命を誇り、瓦屋根も世代を超えて住まいを守り続けます。
また景観条例によって色や素材の制限が課される地域もあり、屋根は「街の文化財」として保全されているのです。

屋根は資産価値を守る投資対象であり、外観デザインを形作る「家の顔」として意識されているのです。

一方、日本ではどうでしょうか。
古くからある社寺や仏閣をはじめとする多くの文化財は、欧米と同様に定期的な改修を重ねることで、今日までその姿を保ってきました。
しかし一般的な住宅においては、長らく「新築であること」が最大の価値とされ、屋根を含む建材の耐久性や景観性に十分な関心が払われてこなかったのも事実です。

その結果として、「壊れたら直す」「雨漏りがしてから考える」いわゆるスクラップ&ビルドという後手の発想が常態化し、屋根を投資対象や資産価値の一部として見る考えは少ないと感じてしまいます。

住宅の屋根は「トラブルが起きて初めて存在感を持つ場所」となりがちで、多くの場合「雨風さえ防げればよい」という最低限の認識にとどまっています。
しかし実際には、屋根は単なる雨よけではなく、日々家族を守り、街並みの景観を形づくり、さらには大切な資産を長期にわたり支える重要な部位です。
こうした認識がより広く共有されることを願うとともに、私たち屋根材メーカーとしても、その価値を高めるためにできる取り組みを模索し、行動を続けてまいります。
 

【次回のコラム予告】


 次回は「以外と面白い屋根部位の名称」です!

 

ディーズルーフィングは、石粒付屋根材の老舗メーカーとして、高品質な製品を提供し、新築・リフォーム共に多くの住宅で採用されています。災害に強い屋根材として高耐久で安全性の高いディーズルーフィングの製品を検討してみてはいかがでしょうか

 

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