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屋根の名前を知ると、家の見え方が変わる。 意外と面白い屋根部位と名称

屋根の名前を知ると、家の見え方が変わる。
意外と面白い屋根部位と名称

普段の暮らしの中で、建物の屋根をじっくり見上げる機会はどれほどあるでしょうか。
雨をしのぎ、時には夏の日差しを遮り、冬の雪などを防いでくれる屋根は、私たちの生活に欠かせない存在です。
ですが、屋根の部位や各部の名称について知っている人は少ないかもしれません。
今日は、ちょっとだけ屋根の部位や名前について見てみましょう!

(むね)

photo:エコグラーニ/グリーン

まずは、なんといっても屋根といえば、一番最初に注目される屋根の一番高いところ。
その部位を「棟(むね)と呼びます。

建物の一番高い場所に位置し、左右屋根の傾斜がぶつかる建物の背骨のようなこの部分は、日頃から雨風の影響を受けやすく、住まいを守る要のひとつです。
古くは「むな」とも読み、建物を象徴する言葉でした。
それが転じて建物自体を数える時の単位として、例えば、「住宅が二建つ」というように使われます。

ケラバ

外壁から出っ張っている屋根部分で、破風の側を「ケラバ」と言う。ケラバは部位ではなく、屋根の一部分を指す名称。
名前の由来は、昆虫の「ケラ(オケラ)」の羽根で、漢字では「螻蛄羽」。
オケラの短い羽のように、外壁から破風までの距離が短いところからきているという。雨水の吹込みや紫外線の侵入を防ぐ役目がある。

photo:ディプロマットスターⅡ/エバーグリーン

 

先ほど急に出てきた普段聞きなれない妻側と言う言葉ですが、決して奥様ではございません!
「妻」とは、建築でいうと建物の両端に現れる三角形の面を指します。

photo:ディプロマットスターⅡ/オニキス

屋根の高い位置にある棟が走る方向に対して、正面や背面に現れる壁のことです。
由来をたどると、「妻」という言葉は「端」「側面」を意味する古語から来ていると考えられています。
そこから「妻側」という呼び方が定着し、屋根や建物の端を示す言葉として使われるようになったのです。

普段の生活の中で屋根をじっくり見る機会はあまりないため、これまで屋根の各部位の名称や役割について、あまり意識されることはなかったかもしれません。
実は屋根の形状にもそれぞれ名称があるので、今回はそのうちのいくつかをご紹介します。

切妻屋根(きりづま)

まずは、先ほど出てきました「妻」。
その形状の屋根が切妻屋根(きりづま)と言います。
その形状がこちらです。
切妻屋根は、家の中心から左右に傾斜した二つの屋根面が三角形に組み合わさった構造で、最も一般的な屋根形状です。シンプルな造りで排水性・通気性に優れ、幅広く採用されています。

photo:ディプロマットスターⅡ/エバーグリーン

さらに切妻屋根に並ぶ代表的なスタイルの寄棟屋根(よせむね)があります。
建物の四方すべてに屋根面があり、棟が中央から四方向へと下がっていくため、どっしりと安定感のある形状になります。

photo:ローマン/タスカニー


「寄棟」という呼び方の由来には、屋根の構造的な成り立ちがあります。
“棟を寄せ合う”形から来ていて、建物の四隅に向かって屋根面を寄せていくと、棟木が中心に集まって(寄って)形を作るように見えます。
この「寄せる」という感覚が「寄棟」の語源だとされています。

片流れ屋根

最後に、片流れ屋根は、屋根面が一方向にだけ傾斜している形状です。
雨水が一方向にしか流れない構造から、そのまま「片流れ」と呼ばれるようになりました。
屋根の傾斜方向を「流れ」と表現するため、両側に流れがある切妻や寄棟に対し、片側しかない屋根を「片流れ」と区別したのです。

photo:ローマン/タスカニー

まだまだたくさんの屋根の形状に対する呼称がありますが、この3つが代表的な屋根の形状になります。
ご自宅の屋根の形状はどんな形だっけ?
あの家の屋根の形状は〇〇だね!


なんて、普段の暮らしにおいても、屋根のことを少しでも意識する機会が増えてくれると嬉しいです。

次回は、「昔の屋根、現代の屋根 ー軒の意味を考えるー」を予定しております。
お楽しみに!

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