初回から屋根は『見えにくい』『トラブルが起きるまで気づかない』と見てきましたが、最後に『メンテナンスの優先度が低い』を詳しく見ていきます。
屋根という住宅の重要な部分であるにもかかわらず、多くの人にとって屋根のメンテナンスの優先度は驚くほど低いのが現実です。
なぜ、そうなってしまうのでしょうか。
まず大きな要因として、「壊れてから直せばいい」という意識が根強くあることが挙げられます。
屋根は、エアコンや給湯器のように日々直接使うものではなく、不具合が出ない限り気にも留められません。そのため、「今問題がないなら大丈夫」と思いがちで、点検や補修の必要性を感じにくくなってしまうのです。
また、屋根は視界に入りづらく、劣化のサインにも気付きにくい場所になります。
壁紙の汚れや床のきしみのように生活に直結する問題ではないため、ついつい見落とされがちです。
加えて、専門的な知識が必要であるがゆえに、自分自身で状態を判断したり、メンテナンスのタイミングを見極めることも難しく、「なんとなく後回し」になってしまいます。
そして、もう一つの大きな理由が、「予防」と「緊急」へのコストに対する意識のズレです。
屋根の点検や軽微な補修には費用がかかりますが、「まだ何も起きていないのにお金を使うのはもったいない」と感じる人が多くいます。
しかし実際には、点検を先延ばししたために、屋根だけではなく内装や構造体にも腐食や害虫被害などが及ぶこともあり、修理費が一気に膨れ上がってしまうことも少なくありません。
こうした屋根のメンテナンスは、「見えにくく」「気づきにくく」「後回しにされやすい」という“3重のハードル”に囲まれているのです。
屋根は住宅を守る最前線であり、最も早く劣化する可能性がある部分にもかかわらず、優先度が低くなっています。
そのため今では多くのご家庭で、屋根のトラブルを未然に防げない大きな原因となっています。
【次回のコラム予告】
このような「見えにくい、気づきにくい」そんな屋根の上はどうなっているのでしょう!
次回のコラムは、「日常の裏側で、屋根は戦っている👊」について詳しくご紹介します。
お楽しみに!